夢に向かって、突っ走る!

(2012年4月)

炭火串焼き伝蔵(東口店)

株式会社ヴィクトリーステップ

 「従業員が育ち、店長として店を任せられるようになると、その従業員のために新しい店舗を出店したくなるのです。」現在、高崎市内と東京の西麻布に、地鶏料理・炭火串焼きの店4店舗を経営する理由をこう話す。

 中学卒業後、まず家業の菓子職人を目指した。その後「将来はとにかくビッグになりたい」という夢を持って、柳川町の居酒屋に修行に出たのが19歳の時。以来市内の居酒屋の厨房やホールで経験を積み、26歳の時に知人が都合で閉めることになった焼鳥屋を譲り受け、高崎駅東口に「伝蔵東口店」をオープンした。苦労を楽しむかのように、江木町に隠れ家的な「鶏くら」、高崎駅西口に「伝蔵西口店」を次々と出店。そして昨年4月、32歳でオープンした西麻布の「鶏八」は、"野望"を秘めた東京進出の第一歩となった。

 「震災直後のどん底からのスタートで、最初はかなりきつく、高崎でのやり方が通用しない西麻布の地で、戸惑うことばかりでした。しかし人と人との信頼関係が、次々と知人を紹介してくれるということがわかりました」。自ら新鮮な群馬の食材を持って東京と高崎を往復し、店に立ち、この店舗では今まで以上に客とのコミュニケーションを重視した。東京への進出で新たに商売の多面性や奥深さを痛感し、都内の繁華街に路面店を、という次の"チャレンジ"も見つけた。

丸山さん

 車もファッションも欲しいものを手に入れたい。だから労をいとわず働く。こうした丸山さんの明快な行動力が求心力となって、「㈱ヴィクトリーステップ」には前を向いて突き進む人材が集う。社員は各店舗の店長を含め5名。丸山さんが店長を、店長がアルバイトを、息子のように暖かく、時に厳しく見守る。アルバイトの面接も人間関係づくりも、それぞれの店長の采配に任せることで、その成長が加速する。

 「良い加減の放任主義も大事。多店舗化して会社を大きくすることは、社員たちの強い意志なんです。」意欲的な社員に恵まれて社長冥利に尽きる。草食系男子が目につく世相の中、野望を抱き "勝利へのステップ"を踏む男たち、彼らを率いる丸山さんの姿が何とも頼もしい。

ちょっと一言

九蔵町の老舗菓子店「かしの蔵まるやま」の5代目を継ぐために、一度は修行に出たものの「生クリームが嫌いで味見ができない」という冗談のような本当の理由で断念。自分の道を歩むことは両親も納得してくれた。「かしの蔵」への愛着と両親への感謝の意を込め、店名に「伝蔵」と"蔵"をつけた。

株式会社ヴィクトリーステップ

代表取締役 丸山勝行

■伝蔵(東口店)/栄町2-3 TEL.027-327-9188
■伝蔵(西口店)/通町36-1ピーチヒル2F TEL.027-327-5298
■鶏くら/江木町566-5 TEL.027-386-2961
■鶏八/港区西麻布3-24-19ラ・バース4F TEL.03-3497-8887

高崎商工会議所『商工たかさき』2012年1月号

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