10年後の賑わいを夢みて

Gru Café & Restaurant

(2012年11月)

Gru (グルー)外観Gru (グルー)外観

 今年4月3日、大手前慈光通りに珍しい飲食店がオープンした。昼間(平日8時〜17時)はベーグル専門店「福カフェ」、夜間(18時〜25時)は本格イタリアンレストラン「Gru」。一つの店舗が時間帯によって2つの異なる顔を持つ。飲食店経営の経験がある相京恵さんが仕掛人だ。

 「昨年10月に山形国際ドキュメンタリー映画祭に行った時、お客様をワンコインでもてなしていた一軒の漬物屋さんがとても印象的でした。私も高崎映画祭でもてなしができて、人が集い何かを発信して行けるような"場"を作りたいと思いました」と、発端となった出来事について話す。

 高崎に戻り、貯金通帳とスケジュール帳をにらめっこしながら、高崎映画祭までに店を開店することを心に誓うと、即行動を起こした。

 まちの中心地であり、周囲に文化的な集積があり、「シネマテークたかさき」に近いこと、最低30坪の広さを条件に、現在の物件に行き当たった。許容範囲をはるかに超えた家賃は、ビルのオーナーに想いを伝え、何とか交渉に応じてもらった。また、73枚の企画書を作り上げ、市役所や商店街、銀行等へ補助金や資金提供の相談とお願いに回った。越えたと思った壁の向こうにまた壁が立ちはだかる一進一退が続く中、何度も自分の本気度を確認し、くじけそうになる心を奮い立たせた。

代表取締役社長 相京恵さん代表取締役社長 相京恵さん

 そこでビルオーナーの協力の下、友人であり想いに共感してもらった「福ベーグル」の福島さん夫妻に、家賃と光熱費を折半で夕方までカフェをやらないかと話をもちかけ、快諾を得た。鉄筋むき出しの店内の改修工事は、まちづくりに取り組む仲間や大学生たちと一緒に各種工事業者の皆さんを手伝い、2週間で完成という奇跡を起こした。こうして、想いの詰まった"場"「Gru」が、まちなかにオープンした。

 「人が目的地をめざして立ち寄る"駅"のような存在でありたい。10年後の賑わいのためにも、今私たち世代が頑張り、ここを集いの"場"として次世代に手渡したい」。「Gru」に多くの人が訪れ、それがまちの賑わいにつながればと、イベント等の企画提案に積極的に取り組む。

グローリーハイグレイス有限会社

代表取締役社長 相京恵さん
住所:高崎市連雀町71 大手前ビル1F
TEL:027-395-4342
営業時間:18:00〜25:00

http://takasaki-bishop.jp/gru/

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