高崎新風土記「私の心の風景」

清水寺(せいすいじ)の能楽の絵馬と紅葉

吉永哲郎

高崎新風土記「私の心の風景」

 毎年秋に開催される「たかさき能」は、今年で22回を迎えます。本年は11月24日(土)午後2時・音楽センターで、来年の「源氏物語千年紀」を前に、源氏物語ゆかりの「葵上」、狂言は「二人袴」を上演します。

 さて、「高崎で能楽を鑑賞する意味はあるのか」「能は難しくて馴染まないね」などと、よく耳にしますが、能楽に関心をもつことは、これからの高崎の文化意識高揚につながるのです。それは高崎が単なる商都でなく、能楽と深いかかわりをもつ都市だったことを再認識するきっかけになるからです。

 その証拠のひとつに、市の重要文化財に指定されている「清水寺の能楽の絵馬」があります。この絵馬は、狩野派の狩野常信(つねのぶ)が描いた能楽「熊野(ゆや)」で、喜多流能を好んだ高崎藩主安藤対馬守重博(しげはる)が、元禄5年(1692)に奉納したものです。その後の藩主松平輝貞、間部詮房(まなべあきふさ)も能楽をことのほかたしなんでいます。城下の町中にも謡いの師匠が多く、高崎商人は競って謡いを習い、教養と品位を高めていたようです。

 清水寺の四百余段の石段を登って絵馬を見学したいものです。そして、本堂前の石段にかかる渡殿から、かえでやいちょうのもみじを眼下に、しばし誇り高い高崎商人を偲んでみませんか。

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