SDGsを経営に生かす(3)

(2021年08月31日)

株式会社水島鉄工所

上野三碑マンホール

100年にわたる鋳造技術

水島鉄工所は大正6年に創業した上下水道用鉄蓋(マンホール)の製造工場で、高崎市の産業発展に貢献してきた。

 

水島鉄工所は、創業以来、100年にわたって鋳造技術の研究開発に取り組み、「高品質で均一、安定した製品づくり」「製品の信頼性」「一貫作業による経済性」「徹底した品質管理」が強みだ。品質管理では、鋳造品(鉄系)の日本工業規格表示認可工場に認定されている。

 

鋳造技術イノベーションで「幅広い分野の産業用鋳造部品の水島」を合言葉に、新しい時代の「ものづくり」を目指している。

 

水島社長はSDGsを経営に生かし、これまでの製品づくりを持続可能なビジネスモデルとして捉えなおし、新しいビジネスを創出しようと考えている。

 

SDGsで多彩な事業展開

売上の比重は下水道用や通信用マンホールが占めており、水島社長は、新しいビジネス分野に挑戦する上でSDGsが役立つと感じている。

 

景観や安全性・快適性の確保のため、電線の地中化への取組みが推進されており、通信・電力用鉄蓋の需要増にこたえている。また鋳造製品は農業用の水門に使用されており、設計から施工までの一貫体制によって、群馬県内で実績を築いている。

 

品質の高いマンホール製造・水門による災害対策と安心安全なまちづくり、デザインマンホールによる地域の観光振興、鉄分を効率的に摂取できる調理器具による健康づくり、つくったものを長持ちさせて大事に使う鋳鉄の伝統技術そのものも、SDGsの目標につながっている。

 

また水門の技術を応用した小水力発電の実用化に向けて取り組んでいる。「蓄積した技術を使った挑戦であり、4~5年をかけて取り組んできました。量産化に向けて開発中です」と水島社長は話す。再生可能エネルギーによる地域活性化が期待でき、事業展開の可能性が広がる。

 

「当社は上水、下水、中水など水に関連する製品を製造しています。水に携わる企業としてSDGsに取り組みたい」という。

 

SDGsで事業展開

水島社長は製造工程におけるCO2削減も最重要と考えている。「脱炭素社会により製造業は大きく変わるでしょう。多量のエネルギーを必要とする鋳造業はどう生き残れるか。脅威でありチャンスでもあり、SDGsの取り組みが役に立つと考えています」と話す。

 

「新しいことに挑戦し、あきらめずに歩み続けたい。新しい時代に合わせたインフライノベーションにより、地域と日本を元気にしていきたい。鋳鉄の特徴を生かした商品展開、各企業との連携により、健康づくりや食品ロスにも貢献できる。ものづくりを革新します」と水島社長は語る。7月にホームページをリニューアルし、鋳鉄イノベーションの情報発信にも力を入れている。

 

また桐生の織物企業との連携で清涼感のある抗菌マスクの販売も手掛けている。Ag抗ウイルス加工生地を使用し、清涼感のあるキシリトール配合。販売サイト「tecco」を開設している。

 

株式会社水島鉄工所

代表取締役 水島高弘さん

高崎市小八木町314

TEL.027-361-4010

高崎商工会議所「商工たかさき」2021年8月号

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