43.高崎新風土記「私の心の風景」

鼻高展望花の丘

吉永哲郎

 猛暑であった夏も、言い習わしてきた「暑さ寒さも彼岸まで」のことば通り、彼岸まででした。同時に「腐れ彼岸」を感じさせた日も二、三日ありました。地球温暖化が叫ばれるなかで、こうしたことばが消えていく時が間近なのかと、考えさせられています。でも、今年も季節の移りは確実にやってきました。有り難いことです。
 昭和55(1980)年に高崎観光協会が刊行した『高崎の散歩道・第11集』に、「鼻高民俗誌」を書きました。そこに「(鼻高の)山上からの眺めは誠にすばらしい。和田峠あたりの山脈(やまなみ)も見え、古代へのロマンを語りたくなるところである。さらにはこの山脈の尾根を馬でかける民族の群れもと思うほど、雄大な風景が眼前に展開する」と記しました。その頃、時々私は鼻高の丘に来ては、八ヶ岳連峰や和田峠の山脈を眺め、遠く古代の人々の姿を追っていました。密かな古代人との対話空間でした。
 今、この雄大な古代ロマンの空間は、多くの人と共有する「鼻高展望花の丘」となりました。ボランティアの人たちの手によって、季節の花が植えられ、人々の目を楽しませ、まさに現代の癒しの丘だと感じます。十月、丘はコスモスが咲き乱れます。風にゆられる花の背景には、雄大な信州の山脈と妙義連峰の風景がひろがります。
 私は、この丘の秋の夕暮れの光景、夕陽が山の端に沈む静かな一瞬に、心うたれます。

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