REBELBOOKSオススメ本 vol.2

(2020年05月26日)


小西雅子著 『地球温暖化は解決できるのか』

独自の選書が評判の椿町の書店・REBEL BOOKSのオススメの一冊を紹介。

中高生向けに様々な教養を専門家がわかりやすくまとめ伝えてくれる岩波ジュニア新書。国際NGOの専門スタッフである著者が、これまで世界が取り組んできた温暖化への対策と今後の課題を解説。若者だけでなく大人も身に着けるべき知識と教養が詰まった一冊だ。

 

《店主のひとこと》

ジュニア新書なので中高生向けに書かれているのでわかりやすく、これ一冊読むと、地球温暖化問題の概要がだいたいわかります。ひとりひとりが「なんとなく聞いたことがある」から「きちんと知る」へ。その第一歩として最適です。

 

《読後レビュー》

恥ずかしながら地球温暖化問題についてぼんやりとした認識しかなかったが、この一冊で知識がかなりアップデートできる。今ニュースで報じられるパリ協定がなぜ一進一退なのか、その“なぜ”の仕組みがわかる。また、「すべきことだろうけど難しいんじゃないか」とぼんやりとしたイメージで頭に蓋をしていたものが取り払われてクリアな感覚に。科学的データも交えながら経済や庶民のお金の問題も含め、「やればできるじゃないか」という日本や世界の将来への道筋が示され、より自分事として低酸素社会実現を前向きに捉えることができる。

 

著者も最前線で関わった歴史的な合意・パリ協定の経緯も詳しく書かれていて、まさに事実は小説より奇なりと言うべき緊迫の国際交渉の様子やドラマチックな展開は読み応えがある。パリ協定は米トランプ政権の離脱表明などが最近話題になったが、私たちが知るべきはもっとほかにあることも本著は教えてくれている。現政権になってからの8年間で日本の二酸化炭素削減の方針が激変し、東日本大震災の原発問題のことを差し引いても、あまりにも消極的な姿勢で世界から失望されているという厳しい現実は、国内ではあまり報じられていない気がする。

 

私たちが直面している行動変容は、今まで通りにいかない制限がある一方で、「こうすればいいのに」と思いながら様々な言い訳をつけてブレーキをかけていた事柄を皮肉にも動かしている。また、“声をあげる”ということに私たちがひとつの手ごたえを感じたことも確かだ。環境問題も含め今後も周囲に対して声を上げ、その声をより確かなものにするため、ぼんやりとした認識に留めずに常に知識をアップデートし続けなければ、と本著が教えてくれた気がする。

 

『地球温暖化は解決できるのか パリ協定から未来へ!』

小西雅子著 946円 194頁

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