地域の映画文化はどうなるのか

(2016年10月3日)


コミュニティシネマ会議

 全国のミニシアターや映画祭、自主上映団体、映画文化の研究者らが集まる「全国コミュニティシネマ会議」が9月30日(金)、10月1日(土)に高崎電気館で開催された。
 この会議には、地域の映画文化の最前線で活動する人たちが集い、まちに根ざした映画館運営や上映活動の報告や課題について意見交換した。この会議は、高崎映画祭の故・茂木正男さんの呼びかけがきっかけの一つとなり、前身の「映画上映ネットワーク会議」が1996年に発足し、今年20周年となる。
 30日のオープニングでは、高崎市の富岡賢治市長が高崎電気館の保存と高崎の映画文化について、コミュニティシネマセンター代表理事の田井肇さん、高崎映画祭代表の志尾睦子さんと鼎談し、富岡市長は「映画文化を地域の人々で支えていくために応援したい」と力を込めた。田井さんは「映画のまち高崎の電気館で会議が開催できることに感謝したい。高崎のモデルを全国化したい」と語り、全国の映画関係者から高崎の取り組みが評価され、映画のまちを印象付けた様子だった。
 パネルディスカッションでは、熊本で制作された「うつくしいひと」の行定勲監督、志尾睦子さん、松本正道さん(アテネフランセ文化センター)宮嵜善文さん(松本シネマセレクト代表)、小野寺生哉さん(カナザワ映画祭代表)、櫛桁一則さん(みやこシネマリーン支配人)、土田環さん(早稲田大学講師)が登壇し、地域映画祭や自主上映にかける情熱と喜び、映画が育てる地域文化などについて意見交換した。
 地域映画祭は「地方では見られない映画を見たい」という動機から始まり、「人々に見せる」という運動体へと発展してきたが、あらためて映画を見せる社会的意味について議論を深めた。上映場所を失って活動休止する苦慮、観客との交流、この全国コミュニティシネマ会議や地方映画祭と国や地方自治体の文化行政との関わりなど、地域・コミュニティと映画について幅広く語られた。
 この会議の締めくくりとして、原発事故後の福島のドキュメンタリー映画『残された大地』が上映された。監督のジル・ローランさんは、今年3月に帰国していたブリュッセルでテロの犠牲となり、夫人の鵜戸玲子さんが舞台挨拶を行った。

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