あなたは西暦派? 和暦派?

(2019年01月28日)

平成31年が明けて、新しい元号が4月1日に発表されることが決まり、元号への関心も高まっている。これまで4月11日公表の案も示されていたが、コンピュータシステムの改修が背景となって公表スケジュールが4月1日に前倒しになったようだ。

 

新元号とコンピュータシステムの改修

天皇陛下が今年4月30日に退位され、皇太子さまが翌5月1日に即位されることで、平成という時代が終わり、新しい時代を迎える。1989年1月8日から始まった「平成」という時代も残りわずかとなり新しい元号が国民的関心事となっている。

天皇一代に一つの元号とする「一世一元」を重視し、即位後に新元号を示すべきだという考えもあったが、元号が変わると、コンピュータシステムも新元号に対応させる必要があり、新元号の発表日がいつになるのか、論議を呼んだ。コンピュータ社会に即した現実路線が選択された。

年号に関するコンピュータシステムの改修では、昭和から平成の対応と、2000年問題での対応を経験しているが、昭和から平成に改元された30年前と比べてコンピュータに依存する業務が格段と増えている。4月、5月は新年度が始まる繁忙期とも重なっているので、改元に伴うシステム改修に十分な準備時間を求める声は、早くから上がっていた。

ところで、新しい元号が発表されるまでシステム作業ができないような言い方をされることもあるが、けっしてそのようなことはなく、変更箇所の洗い出しなど、天皇陛下の退位が決まってから、システム部門は周到な準備を行っている。とは言えスケジュールが厳しいことは事実のようで、現場は時間との戦いになる。

皇太子さまが即位される5月1日が休日となり、今年のゴールデンウィークが10連休となるが、システム関係者は多忙な連休になるという話もささやかれている。連休中で官公庁の業務が休業しているので、余裕をもったスケジュールが立てられ、万が一、システム改修にトラブルがあっても、対応する時間を確保できるという見方もある。

 

文書の日付は常識的な対応

高崎市によれば、これまでのところ新元号に関する国からの特筆すべき通達はないという。

平成31年度の納税通知書など、事前に大量印刷しなくてはならないものは、納期限日など5月1日以降の日付が新元号で印字できないこともあると想定している。その場合、西暦を併記するなどして混乱を防ぐ予定だ。

また、既に「平成」で交付されている文書や、市民・事業者から市に提出される文書で5月1日以降の日付が平成で記載されているものについても、それぞれの窓口で新元号に読み替えて適切に運用する。

企業の取引についても、5月1日以降の支払日や納品日が平成で記載されていても、新元号に読み替えて対応するのが常識的であるが、クレーム等が心配される場合は、事前に法律の専門家等の助言を受けるなどして対応しておくと安心だろう。

 

 怖いのは思い違い! 西暦? 平成? 新元号?

和暦の場合は、改元によって将来的な変更が想定されているので、和暦を使わずに西暦を採用しているシステムも多くなっており、JRの切符の刻字は西暦に移行している。レジのレシートなどは西暦表示が一般的となっている。金融機関では、昨年秋にみずほ銀行が通帳の取引年月日の記載を和暦から西暦へ変更した。

新聞記事の日付表記も新聞社の方針で西暦と和暦のどちらを優先するか分かれているようだ。記事等の場合は文脈でわかるようになっているが「19年度」と表記されている場合、2019年度か平成19年度か迷うこともある。

年月日の年の部分については下2桁だけが印字されている場合、当日の日付などであれば年の部分が二桁であってもわかるが、認識の相違や書き間違いがトラブルの原因になることも考えられる。

新元号の施行後は、西暦、平成、新元号のどれを使っているのか認識の相違が起こらないよう、正確さを期すことも必要だろう。

 

和暦は日本の文化

昭和から平成に移った時には、「平成」のゴム印とともに、消し線のゴム印も作り、帳票類に印刷された昭和の文字の上に消し線を押して使った企業も多い。

平成と記載された印刷物を新元号に刷り直すような改元特需があるのか、市内の印刷業経営者に取材したところ、「印刷需要は例年同様で、新元号による特需については、控えめだろう」という見方をしている。 改元されることがわかっているので、昨年暮れに販売された2019年の手帳やカレンダーには元号が記載されていないものもあった。新元号が発表された後、手帳やカレンダーの買い替え需要についてはどうだろうか。

時流としては西暦の使用が増えているそうだ。特に今年は、元号の変更があらかじめわかっているので、印刷物では西暦を使用するケースが増えているという。国全体でも西暦に揃えるような動きがあるが、「多くの公的機関が和暦を使用しているので、西暦に統一するというのは大変難しいだろう」という見方もある。

西暦を使用するのは、計算が簡単にできるからで、昭和元年や昭和64年などの変則的な処理を行う必要はない。利便性だけを取るなら、西暦が圧倒的に有利だ。

今回の取材の中で、日本人と元号の関係には単に合理性だけで割り切れない根強い文化があるという意見が多数あった。明治、大正、昭和、平成という元号が持つ時代感覚を日本人は共有している。皇太子さまが即位され、新しい元号が施行されれば、新しい時代の希望が感じられるという。

 

次は消費税率引き上げと軽減税率

元号の改修に続いて、今年10月には消費税率10%引き上げと軽減税率制度の実施が予定されている。これまで消費税の税率改定も経験しているが、軽減税率への対応では事務の負担増も指摘されている。新元号よりも軽減税率への対応のほうがはるかに大変だという指摘もある。

2020年は東京オリンピック・パラリンピック開催に伴って祝日も移動することになっているので、変則的なシステム改修を必要とするケースも出て来るだろう。

24時間、365日、休みなく動き続けるIoT。システム関係者の正念場が続きそうだ。

 

高崎商工会議所『商工たかさき』2019年1月号

 

 

 

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