消費税引き上げ 経営への影響は

(2019年04月30日)

軽減税率・ポイント還元

関心も高い高崎商工会議所の消費税セミナー

2019年10月1日から消費税が10%に引き上げられる。この消費税増税に合わせ、軽減税率制度、キャッシュレス決済のポイント還元が実施され、帳簿や請求書などの記載・保存方法が「区分記載請求書等保存方式」に変更になる。レジなどの販売システム、経理システムを10月1までに対応しておくことが必要とされている。消費税増税に伴う話題をまとめた。

 

いろいろなことが一度に起こる

消費税の10%引き上げは、これまで延期となってきたので、今年、2019年10月1日に本当に引き上げになるのか、会員からの質問も多い。昨年秋に10%引き上げが改めて発表されており、関係官庁は既定方針通り実施の方向で動いている。

「酒類・外食を除く飲食料品」と「週2回以上発行される新聞(定期購読契約に基づくもの)」を対象に消費税率8%とする「軽減税率制度」が実施される。

また10月1日以降、キャッシュレス決済によるポイント還元が行われる。プレミアム付き商品券の発行もあり、消費税増税に伴って、地域企業の経営に大きな影響がありそうだ。

 

持ち帰りは8% 店内で飲食は10%

軽減税率への対応では、小売段階では、レジは、商品やサービスによって10%と8%の2つの税率を設定できる複数税率に対応する必要がある。

同じ食品でも持ち帰りで販売するときは軽減税率の8%、店内で食べるように提供すれば通常の10%となる。飲食スペースのある店舗のレジでは、持ち帰りか、店内で食べるか、客の意思を確認し、税率を決めることになる。「持ち帰り(税率8%)で販売した食品を、飲食スペースで食べてしまったらどうするのか」などといった様々なケースが想定できるが、販売時に持ち帰りか、店内で食べるかきちんと区分けされていれば問題ないということだ。

 

思っているよりも大変な経理処理

流通段階でも飲食料品を扱う事業者など、受発注システム、経理システムを複数税率に対応させる必要がある。

また軽減税率制度は、軽減税率の対象品目を取扱う事業者だけではなく、軽減税率の対象品目の売上げがない事業者を含め、全ての事業者に関係する。

経理面では、2019年10月1日から2023年9月30日までの間は「区分記載請求書等保存方式」が導入され、請求書に軽減税率の対象品目であること、税率によって区分し合計した対価の額を明記する。さらに2023年10月からは「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」の導入が予定され、この方式に沿わない請求書は消費税の仕入れ控除から除外されることになっている。

当面の「区分記載請求書等保存方式」は、経理担当に相当な負担となりそうだ。例えばホテルの会議で、コーヒーをホテルに頼むと10%、買ってきたペットボトルを配ると8%。企業イベントで来場者にお菓子を配布した場合は8%、ボールペンを配れば10%となる。税率ごとに区分して記帳し、決算の申告時に消費税額の仕入れ控除を計算しなければならない。販売管理システムや経理システムも複数税率や軽減税率の対象品目に対応させる必要があるようだ。

 

システム導入・改修に補助制度

消費税軽減税率制度に向けた対策費の支援として、中小企業・小規模事業者に補助制度が用意されている。

複数税率に対応したレジの購入・商品マスターの設定、受発注システムの改修・パッケージ製品の導入、「区分記載請求書等保存方式」に対応したシステム開発・改修・パッケージ製品の導入・機器導入経費などが対象となっている。

例えば、レジ購入では補助率4分の3で、1台上限20万円以内、商品マスターの設定や機器設置費用など20万円加算で1事業者当たり上限200万円となっている。

消費税軽減税率対策費補助金は、2019年9月30日までに完了することが必要で、早めに準備し活用を検討していただきたい。

制度の詳細や最新の情報は同補助金事務局(http://kzt-hojo.jp)まで。

 

インバウンドも狙ったキャッシュレス還元

消費税が10%に引き上げられる2019年10月1日から2020年6月までの9カ月間、需要平準化対策として、消費者がクレジットカードやスマートフォンでキャッシュレス決済をした場合、政府の補助で2%分をポイント還元する仕組みが導入される。

この事業は、キャッシュレス決済を日本国内に普及させ、外国人観光客の集客拡大を大きな目的としている。

調査によって数値に差異があるが、日本のキャッシュレス決済比率は、個人消費の18%〜19%とされ、欧米の50%、韓国90%、中国60%など諸外国に比べ遅れていることが指摘されている。国は、今回の還元事業で2025年までにキャッシュレス決済比率40%をめざす。

外国人観光客はキャッシュレス決済の利用が多く、キャッシュレス決済への対応は外国人観光客の受け入れに欠かせない取り組みとなっているようだ。

 

キャッシュレス決済導入のチャンスか

国は、このキャッシュレス消費者還元事業に参加する決済事業者を募り、2019年10月1日から9カ月間、中小・小規模小売店・サービス店・飲食店で消費者がキャッシュレス決済をすると、決済金額の5%(大規模チェーン店は2%)を消費者に還元する。

この事業に参加する決済事業者のキャッシュレス決済端末は、自己負担なしで導入できる(国が3分の2、決済事業者が3分の1を負担)。

キャッシュレス決済の事業者は、アジア系など海外企業が先行している。キャッシュレス決済の導入は、ポイント還元が大きな話題になっており、消費者に対する店舗PRにも役立ちそうだ。一方、決済事業者も数多く、事業者ごとに端末を設置したりQRコードを表示したり、レジ回りが煩雑になる懸念もある。一つの端末で複数の決済事業者に対応できるなど、様々なケースがある。

他県の一部地域ではキャッシュレス決済推進の実証事業を行っている事例もある。地域の中小小売店や観光施設がインバウンド消費対策としてのキャッシュレス推進が欠かせないとしながら、決済事業者や提供サービス内容の選択肢が増大する中、「中小小売店や地域の活性化につなげていくことが課題」と指摘している。

 

高崎商工会議所『商工たかさき』2019年4月号

 

 

 

 

 

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