ジェトロ群馬事務所に大きな期待

(2017年08月23日)

富岡市長に聞く

富岡賢治市長

日本企業の海外展開や外国企業の日本進出を支援する「独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO=ジェトロ)」の群馬県事務所が高崎市に開設されることが決まった。高崎にジェトロ事務所が開設される意味や展望について富岡賢治高崎市長に聞いた。

市長のプレゼンで開設地が選定に

群馬県によるジェトロ誘致活動が進められる中で、有識者による検討委員会が設置され、高崎市、前橋市、太田市が候補地となった。最終選考は、各市の市長のプレゼンテーションで行われ、富岡市長は「原会頭と高崎商工会議所の後押しが大変に心強かった」と謝意を述べた。「ここまで真剣なプレゼンは20年ぶりだった」とほっと胸を撫でおろしている。

富岡市長は、検討委員会でジェトロ群馬事務所が成果を上げるためのビジョンを提案し、そのために高崎に事務所を開設する必要性を説明した。

新幹線のメリット生かし

駅ビルモントレーの群馬銀行高崎駅出張所跡に誘致案

●事務所は高崎の一等地

ジェトロの都道府県事務所は、ジェトロ本部から派遣されるスタッフは1〜2人で、自治体や産業団体、金融機関などから派遣されるスタッフで構成されている。各県の実情に応じた活動を行っており、取り組む事業も各事務所で異なっている。

富岡市長は、3年前に設置されたジェトロ茨城県事務所を例に、青果の輸出量が年間2トンから179トンに伸びたことなどを示し、「茨城県では、海外からバイヤーを積極的に招いたことで効果が上がった。群馬県でも、海外バイヤーとの商談が重要だ」と考えている。

そのため、富岡市長は事務所の候補場所として高崎西口の一等地、高崎駅ビルモントレーの群馬銀行高崎駅出張所跡を選び、調整を進めている。事務所面積は約560㎡で会議やセミナー、常設展示コーナーも設置できる。事務所賃借料は高崎市が負担する。

「県内の事業者が集まる場所にするなら、高崎、前橋、太田の3市のどれを選んでも大同小異。新幹線による東京からのアクセスは高崎市が抜きん出ているので、ジェトロの事務所でも新幹線のメリットを最大限に発揮していきたい」と考え、駅ビル内に決めたそうだ。分秒刻みで世界を駆け巡る国際バイヤーは、時間が勝負。在来線への乗り換えや、タクシーでの移動が発生すると、群馬は不便というイメージが立ち敬遠される。東京から1時間、新幹線を降りたらすぐに事務所という利便性を生かしていく。

「ただあるだけ」では無意味

茨城県事務所のように着実に成果を上げている事務所もある一方、ジェトロの都道府県事務所の設置効果は差があるようで、「国の出先事務所が、ただ高崎にあるだけになってしまうのは避けたい」と富岡市長は危惧もしている。

富岡市長は、まずジェトロ群馬県事務所の場所を高崎駅西口の一等地に決め、海外バイヤーが訪れやすい立地環境を確保した。また、東京を訪問している各国の経済人等にも高崎に来てもらうことも可能であり、その気になれば、多様な経済交流が新たに生まれるものと、夢がふくらむ。

その夢を実現するためには、費用がかかり、富岡市長は「高崎市は費用負担する覚悟を固めている。必要なら職員も出向させる」と意気込みを見せている。

1億円の予算で多彩に事業展開

高崎市は、事務所賃借料は負担するほか、運営費として1億円の予算化を考えている。ジェトロ事務所の分担金についても、自治体や産業団体の均等割りのような負担金は求めるべきではないと富岡市長は考えている。

富岡市長のプレゼンに盛り込まれている事業としては、県内各地域や業界による海外フェア、海外商談会、情報交換会の開催、参加など年間に4回から6回程度実施。来日する海外のビジネスリーダー、政府関係者、視察団体を海外から直接、あるいは来日に合わせて招へいし、商談会、情報交換会を年間10回以上実施。ジェトロの県事務所または本部から派遣職員による県内巡回相談などとなっており、海外フェアの実施回数も含めて示されている。

群馬県経済の起爆剤

●来年春の開設を目指す

ジェトロ群馬県事務所については、今後、ジェトロと群馬県によって進められていくことになっており、富岡市長のプレゼン内容が、事業計画の中に盛り込まれるかについては、はっきりしていない。高崎市に設置されるメリットを最大限生かせるように、官民のはたらきかけが必要だ。

「高崎は民業で成長してきたまち。ジェトロのような支援機関は高崎にふさわしいと感じている。誘致するからには、群馬県全体のビジネスに貢献したい」と富岡市長は話している。

ジェトロの事務所がないのは全国で数県だけで、ジェトロの無い県は、ジェトロの支援を日常的に意識することが少なかった。ジェトロ群馬県事務所は、単なる事務処理の出先機関ではなく、県内産業の国際化、県内中小企業の国際ビジネスの展開拠点となるものだ。海外の経済情報、ビジネストレンドを知る機会も増え、中小企業のビジネス感度が高まると期待される。

富岡市長は「県内事業者のための新しい国際化の窓口。自前で稼げる道を拡大し、群馬県経済の起爆剤の一つにしていくことができる」と話し、積極姿勢を示している。

『商工たかさき』平成29年8月号

 

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