創業56年目。次のステージへ

(2016年12月27日)

株式会社有賀園ゴルフ

●ゴルフ愛が原動力
 「ゴルフは年齢や体力、技量などに応じて自分のペースで楽しめ、老若男女、年齢を問わず気軽に取組める生涯スポーツです。コースに出ると10㎞ほど歩くので、高齢化社会の健康管理にもうってつけ。社会人になったから、結婚したから、定年退職したからと、始めるきっかけが生涯に何度でも訪れるのもゴルフの魅力。2020年の東京オリンピックに向けてスポーツ愛好の気運も高まり、ゴルフ人口も増加傾向にあります」と話す㈱有賀園ゴルフ2代目の有賀史剛社長。2011年12月に社長に就任した。父の有賀明会長と同様、自らも競技者として輝かしい成績を残してきた。
 同社では健全なジュニアゴルファーの育成にも力を注ぎ、その一環としてジュニアゴルフ大会を開催。並行して行う保護者対象のプロのレクチャーも好評で、応募が殺到するという。
 
●二代目が手がける自社ブランド
 史剛社長が着用しているニットのベストがお洒落だ。左胸に踊るようにデザインされた“D”の文字。コンサバティブ(保守的)とノーブル(気品のある)をコンセプトにしたイタリアンテイストのアパレルブランド『Dlemore(ドレモア)』のもので、パンツブランドの『DUENO(デユエノ)』と併せ、今春より同社が立ち上げたアパレルブランドだ。国産素材にこだわった日本製。社長自らロゴデザインを担当し広告塔になるほど強い想いを込める。ワンランク上をめざす上質なウェアは、百貨店からの引き合いも多い。
 また、世界初となる非公認球の超高反発ボール『韋駄天X(I・DA・TEN)』も自社開発製品で、6月より卸売りや店頭販売を開始した。公認球より15〜20ヤードも上回る飛距離が出ることから、店頭に並ぶ200種のボールの中で、レジャー用途として圧倒的な販売シェアを誇っている。
 「有賀園ゴルフは販売だけではなくメーカー機能を備え、製造責任を負うことで、より広い視野と熟慮をもって仕入れに当たるなど、社内の意識が大きく変わりました」。社長となって挑んだ初の試みは好調な滑り出しとなった。
 
●始まりは北関東初のゴルフ練習場
 有賀明会長が、都内で証券マンとして働いていた頃、ゴルフと出会い一気に魅了されたという。ゴルフは今後メジャーになる。未来への確信を抱き、1961年に高崎市石原町に所有する土地に、北関東で初となる本格的なゴルフ練習場をスタートさせた。
 当時のゴルフはまだまだマイナースポーツで、群馬県内のゴルファーは100人程といわれたが、オープンと同時に県内はもちろん、埼玉・栃木・長野などからも来場者が押し寄せ大盛況となった。喫茶も併設し、お洒落な社交場としての役割も果たした。
 1962年には、ゴルフ用品販売店として㈱有賀園ゴルフを設立。当時は国産メーカーなどなく、舶来品を東京で買い付けて販売していた。
 
●大型ゴルフ用品店を多店舗化
 1982年、店舗1号となる「太田店」をオープン。その後、前橋・高崎・桐生・渋川と県内に5店舗を出店し、埼玉に進出した。
 さらに多店舗化は東京、神奈川、千葉へと首都圏に進出し、現在、関東圏に24店舗を構える。
 当初あまり重視されていなかったアパレル品の充実に特に力を注ぎ、大型化した店舗スペースにはフィッティングルームや試打室、パターコーナーを大きくとるなど、納得のいく商品選びができる環境を整え、地域性を重視した店舗づくりを行ってきた。
 「1997年の東京初出店。ゴルフ専門店の大型化に先鞭をつけた2004年の新横浜店と太田池上店の出店。この2つが当社のターニングポイントだったといえます。景気低迷の中であえて出店を続けたことが今日につながっています」。ゴルフ用品専門店一番の老舗として、常に業界をリードしてきた。
 
●業界に先駆け参入したネット事業も好調
 同社がインターネット通販事業をスタートさせたのは1999年のことで、これも業界に先駆けた試みとなった。ネット上の店舗は7サイトと存在感を増しており、実店舗とネットの商品管理の一元化やポイントの連動などで販売ロスを防ぎ効率化を実現している。
 昨年には、創業55周年を迎え、新本社ビルとインターネット物流倉庫を落成。最新鋭の自社物流倉庫を完備し、迅速・確実な配送サービスを“自前”で提供している。
 店舗とネット通販の両立は難しいとされているが、同社はそれを両立させている企業といえる。リーマンショック以降停滞していたネットの売上は今では年間30億円を達成。総売上100億円からすると、大きな事業の柱になっているのがわかる。
 
●店舗の魅力を磨くキーポイント
 フェイス・トゥ・フェイスを基本とする店舗では、社員一人ひとりの知識やノウハウ、店舗づくりがものをいう。
 同社では、社員一人ひとりがゴルフクラブ・アパレル・その他用品の各分野に精通し、一人のお客様に対して幅広く商品提案ができる「マルチタスク化」を推進。顧客満足度の向上を図る。日本ゴルフ用品協会の資格に準じた「PSTマスター」という社内資格を用意し社員の意識向上に努めている。
 また、お客様が訪れたくなる楽しい店づくりとして「ビジョン35」を掲げ、ゴルフクラブ・アパレル・その他ゴルフ用品の売上比率が35:35:30になることをめざしている。シーズンやトレンドに敏感なアパレル品は、季節ごとに集客をけん引する力となるため、豊富な品揃えと充実の品質で、いつでも店頭を華やかに彩っている。
 同社では、次の50年に向けて明確なビジョンがすでに走り出した。   (H)

有賀さん
宇都宮店
自社ブランド
Dlemore & ODUEN

店内
韋駄天X

代表取締役社長 有賀史剛
高崎市下之城町289-1
TEL:027-322-3800

高崎の都市力 最新記事

  • 株式会社環境浄化研究所
  • シネマテークたかさき
  • ラジオ高崎
  • 高崎市
  • 広告掲載募集中