農業用ドローンで全国展開 TEAD株式会社

(2018年10月29日)

たかさき産業祭2018ものとぴあ特集

国産ドローンメーカーが高崎で産声

 

TEAD株式会社は2016年(平成28)4月に高崎市江木町に設立した。TEADは国産ドローンメーカーとして産業界から注目を集めるともに、2017年に経済産業省ものづくり日本大賞「ものづくり+企業」部門を受賞し、同社のビジネス展開にも期待が寄せられている。

これまでに示されているデータでは、日本のドローン産業は世界でも後発で、中国製のドローンが世界シェアの7割を占めると言われ、日本の国内市場も中国製品に占められている状況にあるようだ。その中で、TEAD製のドローンが、国内大手5社の一角として国内2%のシェアを示していることが業界誌で示されている。

ドローンについては、飛行規制などマイナスイメージを伴う報道が記憶に残っているかもしれないが、運用ルールも整い、市場が成長するものと期待されている。シンクタンクの調査によれば、ドローンビジネスの国内市場規模は毎年増加しており、2017年が約500億円、5年後には1,500億円〜3,000億円に成長するとも試算されており、TEADが国内シェアを持つ意味は大きい。

 

日本初・国内最大級の農薬散布ドローンを開発

ドローンの応用分野については、空中からの写真撮影がすぐに思い浮かぶが、測量、橋梁などの点検、パトロール、山間部などでの鳥獣対策や配送など広がりを見せている。

TEADは農業分野でのドローン利用に着目し、農薬散布ドローンを日本で初めて製品化し、国内パイオニアとして技術開発を進めてきた。

この農薬散布ドローンは、一般社団法人農林水産航空協会の認定機体となっており、全長は120㎝、総重量27㎏で国内最大級という。耕作地を飛行するので使用条件も厳しく、工業製品として耐久テストに合格している。液剤散布モデル、粒剤散布モデルがあり、自動飛行にも対応している。TEADのドローンは下方への風が強く、散布効率も優れているそうだ。

 

今の時代に無い物を創る企業

 

TEADは、優れたドローンを製造するだけではなく、操作教習やメンテナンスにも力を入れている。大手の農機具メーカーとタイアップし、全国34カ所の拠点網を作り上げた。この拠点展開がTEADの推進力になっている。

TEADのドローン教習所は、農林水産航空協会指定の教習施設としてオペレーターの養成を行っている。また身近にメンテナンス拠点があることで、安心してドローンを使用することができる。農業分野では15%の国内シェアを持っているそうだ。

 

 

農業では高齢化や就労人口の減少が著しく、農地の集約化も進んでおり、ドローンやIoTを取り入れたスマート農業が注目されている。「人手のかかる作業も、ドローンを使えば短時間で楽にできてしまう。ドローンはこれからの農業に不可欠な技術になってくる」と同社は語る。

中小企業の生き方として「他社にない自社の強み」が言われるが、TEADの強みは「今どこにもないものを創る力」と言うこともできる。「高崎ブランドのドローンが全国に広がっていることを市民の皆さんに知ってほしい」と同社は話している。

 

TEAD株式会社

■相吉 雄二社長

■本社 高崎市江木町1637-1  TEL.027-388-9696

■東京事業所・南相馬事業所

 

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