横のネットワークでものづくりの可能性を拓く

(2018年12月31日)

有限会社山﨑製作所

ビジネスチャンスが広がる名刺

㈲山﨑製作所の山﨑将臣社長の名刺は、アルミニウム素材で質感たっぷり、インパクト抜群で、初対面の挨拶のつかみは十分。メタリック、ブラック、ピンク、ネイビーブルーなど6色があり、アルミニウムに着色した後、絵柄や文字をレーザーマーカーで色をはがしながら描くという。

 

レーザー加工や溶接加工を主軸とする精密板金加工業を営む同社は、鋼板を「切る・曲げる・付ける・磨く」技術を駆使し、常に新しいものづくりに挑戦しながら、顧客ニーズに正確かつ迅速に対応する。名刺は、そんな意気込みあふれる姿勢を伝える有効的なツールとなっている。オーダーメイドで注文も受付けている。

 

 

ミラーボーラーのアートプロジェクトに参加

11月21日、大阪市の「阪急うめだ本店」のクリスマスオブジェの点灯式に、山﨑社長は出席した。大型オブジェの製作に加え、ミュージシャンの楽曲や照明デザインに至る全ての演出を、アート集団『ミラーボーラーズ』が手がけた。その作品は、CGやゲームでもないリアルな光が反射し合い幻想的な世界を醸し出す。

 

山﨑製作所では、イメージ先行の平面イラストから大中小のクリスタルのフレームを設計図から起こし製作するなど、デザイナーが描くアイデアを具現化する役割を担った。「今後もアイデアを超えていく技術の提供を行い、自社だけでなく高崎市内の製造業の活用と広報に役立つ繋がりを作っていきたい」と意欲的だ。

 

ゼロからのものづくり『クリエーターズギルド』がスタート

2012年5月に山﨑社長の呼びかけで、高崎市内の町工場等十数社の若手が連携し、デザイナーやアーティストとの共同作品を生み出すことを目的にスタートした『高崎art製造projectカロエ』。「それぞれの持ち味を活かしたものづくりが市内で完結できれば、地元の製造業は活気づき、対外的なPRにもなります」。多業種にわたるメンバー同士の技術や設備・発想を活かし合い、『デザイン神輿』や『高チャリ自転車ラック』、一枚板から作られる無駄のない椅子『スカラベ』などが誕生し、カロエの存在感を対外的に示すものとなった。

 

そして2018年4月、6年目となる今年、『クリエーターズギルド』と名称を変更し新たなスタートを切った。これは、製造業として自分たちがゼロから生み出すものづくりを積極的に展開しようという自信と決意の表れといえる。

 

 

連携することで広がる可能性

「最近、東京からの仕事を受注することがだいぶ増えてきました。都内では今まで技術力があるといわれていた町工場の人材不足が進んでいるという背景があります」。長い間カロエの活動に携わり、ものづくりの実績を積んできた山﨑社長はそう話す。「下請けとして、仕様や図面がある製品を決まった納期に決まった数量を納めるという仕事だけをやっていたのでは、製造の現場は硬直化して身動きがとれなくなる。大手メーカーから下請け工場へという縦割りのものづくりには限界がある」と指摘する。

 

今まさに、そういった弊害が進行しており、イメージする形はあるのに、実際に形にする方法がわからないという案件が、山﨑社長を頼りに舞い込んでいる。

 

産学連携、必要は発明の母

同社では、地域の大学と産学連携による事業にも取り組んでいる。現在、高崎経済大学の黒川研究室と一緒に進めているのが、家庭用『ロケットストーブコンロ』をミャンマーで普及させるプロジェクトだ。2030年までに電化率100%を目指すミャンマーで、燃焼効率を良くして薪を燃やしても煙が出ないロケットストーブコンロの現地生産と、低価格での供給の実現に向けた取り組みを行っている。

 

また、「この間、おしぼりの格を上げたいと熱望するおしぼりメーカーの依頼を受け、“おしぼりサプライヤー”を初めて作りました」と話す山﨑社長。つまみを回すとおしぼりが出てくるという簡単な仕組みのものだが、ファッション系の展示会場を一巡した後、高級感のあるおしぼりをサプライヤーから取り出して使用するというスマートな流れを演出した。

 

“あったらいいな”を実現し、喜んでもらえる充実感。ものづくりには、人を幸せにする力がある。

 


 

社長は“面白そうなものづくり企業”の広告塔

山﨑社長のものづくりへの情熱を支えるのは、同社の製造現場。多品種小ロット生産の現場では、様々な製品づくりが行われている。持てる技術を駆使して、シビアな品質・精度・納期に対応する。

少数精鋭で、社内のコミュニケーションを密に図り、目的意識を共有する。社員教育の一環として、原価意識を養う勉強会なども行う。社長の給与を公開し、技能を身に付ければ、それに見合った昇給もあると公言する。こうした日頃の取組みが、社員の意識を高め技能の向上につながっている。

 

また、今年は定年退職者が数名いて、補充のための人材は幸いなことにすぐに決まった。人手不足などどこ吹く風で、面白いものづくりができそうと、期待を抱いて入社を希望する人もいる。

 

常に挑戦するものづくりを楽しむ。それが同社の飛躍のエンジンになっている。

 

有限会社山﨑製作所

代表取締役社長  山﨑  将臣さん

高崎市吉井町小暮105-1

TEL:027-388-3131

 

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