第34回高崎映画祭受賞理由(2)

(2020年01月16日)

『ある船頭の話』©2019「ある船頭の話」製作委員会
『夜明け』©2019「夜明け」製作委員会
広瀬奈々子監督
『赤い雪 Red Snow』©2019「赤い雪」製作委員会
甲斐さやか監督

ホリゾント賞・新進監督グランプリ

ホリゾント賞

『ある船頭の話』 オダギリジョー監督

オダギリジョー監督=1976年、岡山県生まれ。

高崎映画祭受賞歴=第18回(2004)最優秀主演男優賞『アカルイミライ』。第21回(2007)最優秀主演男優賞『ゆれる』。第21回(2010)最優秀助演男優賞『空気人形』。第30回(2016)最優秀主漁男優賞『FOUJITA』。

受賞理由

文明が開かれていくことで生み出されるものもあれば、消えていくものもある。探淵なるテーマを、かつての日本の原風景に落とし込み、季節の移ろいとともに静かに物語っていく。ひとりの船頭の人生を、行きつ戻りつする渡し船に重れることで、スピード感に埋没する歴史の襞を喚起する。独自の目線で映画の世界観を構築しようとする野心と、鋭い洞察力に裏打ちされた映画表現の奥ゆかしさが見て取れる。映画が果たせる役割に果敢に挑戦した一作である。

 

新進監督グランプリ

広瀬奈々子監督『夜明け』

広瀬奈々子監督プロフィール=1987年、神奈川県生まれ。2019年、劇映画『夜明け』で映画監督デピュー。

受賞理由

弱き者の心を知る映画である。世間からすればまだ若い青年は、自身が辿ってきた罪道を悔いている。全てを受け入れて生きるには弱すぎるその青年の姿はある意味、現代の真実なのかもしれない。青年に手を差し伸べる初者の男もまた、過去の過ちを乗り越えられずにいる一面を持っている。

人の弱さを悪とせず、そのものとして見つめて受け入れようとする。それこそが映画にできることと言わんばかりの、客観的な視線が着手映画作家の気概として映る。奥深い人物描写と物語構成が賞贅された。

 

新進監督グランプリ

甲斐さやか監督『赤い雪 Red Snow』

甲斐さやか監督=1979年、東京都生まれ。2019年劇場公開映画『赤い雪Red Snow』は、マラクシユ国際映画祭2018コンペティション部門に正式招待、Los AngdesJapanFih Festival 2019にて最優秀作品賞、最優秀俳優賞を受賞。同名小説の「赤い雪』(KADOmWA刊)は初の小説執筆作品となる。

受賞理由

小さな町の小さな記憶から始まるこの物語は、大きなうねり声を上げて人々を呑み込み、ダイナミックなサスベンスドラマに昇華していく。人間の強欲や見たくないものに目を背けていくずるさを逃す事なく、人間ドラマとしてそれらを描きこむ。細やかに出来事を積み重ねながら、人間の五感を刺激する大胆な手法で、観る者を物語の中に引き込んでいく手腕に驚嘆する。緻密に練られた脚本と確かな演出力、構成力が高く評価された。

 

 

 

 

 

 

 

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