第34回高崎映画祭受賞理由(3)

(2020年01月16日)

『ブルーアワーにぶっ飛ばす』©2019「ブルーアワーにぶっ飛ばす」製作委員会
『半世界』©2018「半世界」FILM PARTNERS

最優秀主演女優賞・最優秀主演男優賞

最優秀主演女優賞

『ブルーアワーにぶっ飛ばす』夏帆

受賞理由

それなりにやるがいのある仕事もあり、優しい夫との穏やかな生活もある。はたから見れば合格点の生活だとしても、内なる自分がそれを良しとしない。葛藤とは少し違う、内面と外面との乖離に直画する女性・砂田は、時にその感情を荒っぼく吐き出しもするが、繊細で複雑な心情を抱えてもいる。そんな女性像を実にさらりとした風合いで演じ上げているところが見事である。一定の温度感を保つ冷静な演技力があつてこその表現力である。現代女性誰もが抱える心の内を細やかに演じあげ多くの共感と支持を得た。

 

最優秀主演女優賞

『ブルーアワーにぶっ飛ばす』シム・ウンギョン

受賞理由

強気な笑顔の裏に荒んだ心をのぞかせる砂田が唯一心を開き、また安心して心を寄せられる友・清浦をとても伸びやかに演じている。つかみどころのないキャラタターであると同時に、他者を包み込む余裕と懐の深さを滲ませる。その人物像が、とても魅力的に構築されていた。物語を引き締める重要な役どころを確かな演技力と表現力で演じあげ、その表現力の豊かさが高く評価された。

 

最優秀主演男優賞

『半世界』稲垣吾郎

受賞理由

気がつけば父の仕事を継ぎ、地元の後輩と結婚し夫となり、自然と父親となった男・紘の人物像が、とても日常的なアイコンである事に目をみはる。日々を識実に積み重ねた落ち着きは、ともすればいろんなことを上手くかわす器用さを身につけた事にも繋がっている。そんな男が、世の荒波に揉まれた友との再会により変化していく。若かりし頃の熱情や可能性を手繰り寄せるように自己や他者、そして息子と向き合う男の刹那が、胸に迫る。アンニュイでおぼつかない大人の成長を、ゆるやかに柔らかく体現し、多くの共感と支持を得た。

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