庚申B号墳が高崎市指定史跡に

(2016年02月19日)

庚申B号墳(1990年群馬町教育委員会撮影)

切石積の精緻な石室

 高崎市教育員会は、金古町の「庚申(こうしん)B号墳」を2月10日付けで高崎市指定史跡に指定したことを発表した。
 市教委によれば、庚申B号墳は、金古町の庚申古墳群の中の一つで古墳時代末期の7世紀後半に築造された。墳丘の直径は12mで小型だが、切石を積んだ精緻な石室は7世紀の古墳としては最も上位のものという。榛名山南東麓地域では唯一の切石積み古墳で、高崎市の歴史を知る上で重要な文化財となる。
 この古墳は二段の造りとなっており、下段墳丘径11・5m、上段墳丘径8m。石室長6・5m。玄室は長さ2・4m、幅1・1m、高さ1・4m。羨道(せんどう=玄室と外部をつなぐトンネル部分)長4m、幅0・7m。壁に截石(きりいし)を用いた古墳は西毛を中心に30例、高崎市内に山ノ上古墳など7例がある。
 7世紀後半に上野地域の中枢域とされる総社地域に国史跡「宝塔山(ほうとうざん)古墳」が築造されたが、截石切組積(きりいしきりぐみづみ)という当時の最新技法が用いられ、高度な石材加工技術は、東国最古の寺院・山王廃字の建立との関連性が考えられている。
 庚申B号墳と宝塔山古墳には顕著な共通点が見られ、庚申B号墳の被葬者は榛名山麓地域の首長クラスの人物であったと考えられるという。
 庚申B号墳の調査は昭和38年に群馬大学尾崎喜佐雄研究室、平成2年に旧群馬町教育委員会で行われた。現在は埋め戻され、写真は平成2年撮影。
 今回の指定により、高崎市指定史跡は88件、高崎市指定文化財の総数は317件となった。

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