県コンベンション施設にホテルも?

(2016年06月17日)

ビューローを年度内上期に

●ホテル「まだ公にできない」
 群馬県議会一般質問で、6月1日、福重隆浩議員がコンベンション施設について質問を行った。
 大澤知事は、コンベンション施設による産業振興として、昨年に策定した「コンベンション関連産業振興戦略」により、「気運の醸成による参入企業の拡大」、「多彩なコンベンションを開催できる人や企業間ネットワークの形成」、「群馬ならではの素材を提供できる環境づくりを掲げ、県内企業の参入と新たなビジネスチャンスの獲得をめざす」とした。
 コンベンション施設は、1月から基本設計、今年度後半に実施設計を行い、来年度に着工、31年度に完成の予定。
 知事は「平成32年度のコンベンション施設の開所をみすえ、主催者、参加者に本県ならではの最高のおもてなしができるよう、県内全域に経済効果が及ぶよう、コンベンション関連産業の振興に取り組みたい」と意欲を示した。
 福重議員は「高崎でホテル事業を行いたいという声も寄せられている。群馬や高崎のステータスを高めるためには拠点整備の中にホテルも必要」と知事の取り組みに探りを入れたところ、知事は「公(おおやけ)にできる問題ではないのでご理解いただきたい」と質問をかわした。質疑のやりとりは相互に苦笑いの微妙なニュアンスとなった。
 高崎駅周辺の宿泊需要については、現状でもホテル不足を指摘する声もある。高崎アリーナ、高崎文化芸術センター(仮称)、県コンベンション施設が完成すれば、宿泊や会議・パーティの増加が考えられ、ホテル業界の動向は注目される。「公にできる問題ではない」との知事答弁は、水面下でのなんらかの動きを示唆するものとも受け止められる。
 
●ビューローは今年度上期の設立
 コンベンションビューローについて、6月3日の県議会一般質問で小川晶議員がただした。
県の答弁によれば、ビューローの立上げに入っており、コンベンション誘致の経験のある専門人材を外部から受け入れ、県のコンベンション施設への誘致だけではなく、県内既存施設や温泉地の施設も活用した誘致も行いたいと考えている。
 現在、外部人材の受け入れや市町村との調整を進めており、今年度上期中の設立をめざす。
 
●31年度末までに大規模コンベンション誘致30件めざす
 誘致目標は、大規模コンベンションについて予約を含めた誘致件数の目標を、平成31年度末までに30件と設定。中小規模のコンベンションは目標値を定めていないが、コンベンションビューローを立ち上げる中で、市町村の意向を聞きながら検討したいとした。
 コンベンションビューローは、建設するコンベンション施設にとどまらず、県内全域のイベント・会議等の誘致を推進するもので、既存施設への誘致は市町村との連携、受け入れ態勢が重要になる。市町村の体制づくりについても県のコンベンションビューローが支援する予定。
  
●利用料金を早期に決め誘致に生かす
 現状は、コンベンション施設の利用料が決まっていない中での誘致活動となっており、県は、他県の事例では「施設の利用料金等の詳細が明らかになるにつれて予約が増加すると見込まれている」と述べた。
 利用料金が示される時期について県は、確定的な段階ではないとし、「県の設置管理条例により定められるが、競争力のある利用料金にしたい」と答えるにとどめた。「通常の施設は、施設が完成した時に設置管理条例を制定するが、着工後、なるべく早く条例を定めていけるよう準備している」と早く対応していきたい考えを述べた。
 県は、これまで群馬県内で誘致できなかったような大規模な学術会議やイベントの主催者に対し、施設整備の進捗を含めた営業を繰り返し行っていきたいと意欲を見せた。

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