162.「高崎唱歌」

散歩風景⑥

吉永哲郎

 唱歌の6番は「茲にしばらく憩いつつ今来し方を見渡せば 数万のいたか立ちならび景色をいとど優りける」で、先の5番の清水寺の続き。石段を昇りきって、眼下の風景を眺める様子を詠んでいます。今は木々の間から市内のビル街が見えます。
7番は「更に踵(きびす)を廻らして 畦道(あぜみち)東に辿り行き 頼政神社伏し拝み 遊ぶは高崎公園地」です。清水寺を後に石段を下り、田園地帯の片岡のさとを歩き、烏川を渡って頼政神社参拝。「高崎公園地」と詠まれているように、以前高崎の人は「コウエンチ」と高崎公園を呼称していました。「公園」の語は明治になって用いられたので、当時の人は公園とはどのような意味か知りませんでした。
高崎公園は頼政神社の別当寺であった大染寺の跡です。この跡には陸軍の作業場や刑務所が合ったのですが、他へ移し公園にしたといわれます。明治43年に高崎に上水道が完成し、その水を利用して池に噴水がつくられ、柳川町からも見えるほどの高く上った噴水は、天空に届くばかりだと人々は感嘆の声を上げたといわれます。その噴水の池のほとりにはユーモラスなたぬきの石像をはじめ、数々の石碑があります。
なお大染寺のなごりは、園内の大銀杏と白木蓮の大木です。白木蓮樹下に吉野秀雄の「白木蓮の花の千万青空に白き刻みてしづもりにけり」の歌碑があります。朝早くから公園を散策人の姿があり、市民に親しまれる公園。木々を渡って吹く風に、季節の移ろいを感じるのも一興。

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