外国人観光客注目の観光スポットは?

(2019年10月31日)

インバウンド需要に期待

2020年は東京五輪が開催され、インバウンド需要の増加が期待されている。高崎では高崎アリーナでスポーツの国際大会が頻繁に開かれ、外国人選手を目にする機会も増えた。今秋には高崎芸術劇場もオープンし、国内外からの来高者の増加が予想される。そんな折、高崎のインバウンド事情を探ってみた。

 

SNSで世界中から観光客が訪れる洞窟観音

 

白衣大観音、染料植物園を擁する観音山丘陵に位置する、洞窟観音。高崎市の呉服商だった山田徳蔵が私財を投じて郊外の山中に築いた名所だ。洞窟内には石彫の名工、楽山による観音像39体が安置されている。長さ400メートルを超える洞窟内は暗く静かで、歩みを進めるごとに別世界に行ったような気分になる。

 

実は洞窟観音には、台湾や中国など、仏教を信仰している国からの観光客が、数多く訪れる。近くの白衣大観音を見た後に遊歩道を使って、見に来る人も多いそうだ。

 

隣接する徳明園は、北関東屈指の日本庭園。高低差を使ったダイナミックな設計や、楽山の彫刻や枯山水が置かれ、訪れる人を楽しませる。こちらの庭園には、仏教信仰国以外にも、アメリカ、ヨーロッパ、ロシアからも観光客が訪れるそう。彼らは、インスタグラムやFacebookといったSNSで日本庭園や紅葉の写真を見ているようだ。

 

ホームページは日本語のほかに、英語、ドイツ語、中国語の4か国に対応し、公式インスタグラムもある。SNSの投稿から検索し、公式ホームページを見てから訪れる方も多いという。

 

 

きめ細かな対応が光る「だるまのふるさと」

 

職人が手作りした「だるま」の顔に眉と髭を描き切れて、自分オリジナルのだるまをつくる「絵付け体験」。大門屋では、台湾からの修学旅行生を通算100校以上、受け入れてきた。台湾では道教や仏教が広まっているため、だるまに対しても興味を抱く方が多いそう。団体の学生以外にも、個人客も多くタイや中国からも観光客が訪れる。絵付け体験では、中国語・英語を話す職人もおり、観光客に寄り添った真心のこもった対応が好評だ。

 

大門屋は台湾に定期的に訪問、独自に実演販売を行い、着実に大門屋のファンを増やしている。また、オーストラリアやロンドン、パリでも展示販売会を開き、更なる商圏拡大に余念がない。英語や中国語でだるまについて学べるよう、多言語のパンフレットや説明のPOPも店内に配置されており、工夫が随所にみられる。

 

 

外国人観光客から見たさくらんぼは「赤い宝石」

 

高崎市の西、街を見下ろす鼻高町の丘に位置する希望の丘農園。東京ドーム4.3個分の敷地に、約1,500本ものさくらんぼの木が植えられ、佐藤錦や、紅秀峰など十数種類を有機栽培している。フルーツ狩りを長い期間にわたり楽しめる点も大きな特徴だ。春はさくらんぼ、初夏はブルーベリー。秋には全国的にも珍しいキウイフルーツ狩りが楽しめる。

 

同園の自慢は、高崎市で唯一、サクランボ狩りが楽しめる点だ。海外からの観光客も多く、さくらんぼを目当てに台湾や中国本土、韓国、インドネシアやタイからお客様が来園する。

 

日本人の感覚からはあまり想像できないが、海外の観光客には、さくらんぼは「赤い宝石」のように見えるそう。赤くキラキラとしたさくらんぼを、夢中で写真にとってSNSにアップするのが定番なのだとか。

 

また、ジェトロ(日本貿易振興機構)と連携して、さくらんぼの輸出も視野に入れている。日本一の産地である山形県と比べて、高崎では露地物で十日程早く収穫を楽しむことができる。

 

観光客が気軽に楽しめる観光コース開発が必要

これまで見てきた、洞窟観音・徳明園、だるまのふるさと大門屋、希望の丘農園に共通しているのが、大型バスが乗り入れ可能な駐車場や、車椅子やおむつ交換にも対応した清潔なトイレの整備にも力を入れている点だ。

TOTO株式会社「外国人のトイレに関するアンケート」※によると、トイレが整備されていると「観光地のイメージがよくなる」と答えた人は7割を超え、次いで「観光地で安心して長時間過ごすことができる」と答えた人も3割を超えている。

観光地自体の魅力はもちろん、設備の充実も外国人観光客の誘致には欠かせない要素だ。

(※https://jp.toto.com/company/press/2018/10/01_004862.htm)

 

また希望の丘農園のスタッフは「農園を魅力的にするのは当然ですが、高崎に観光で来られたお客様が半日楽しく過ごせる、定番のコースはまだ確立されていないと思います。例えば、観光地の近隣に高崎名物の食事がとれるところがあればいいですね」と話す。

 

外国人観光客が頭を悩ませずとも楽しめる観光コース開発が必要ということだ。一つの観光資源だけでなく、複数の観光スポットをつなぐことができれば、より高崎が外国人観光客に選ばれる都市になるのではないだろうか。

 

半日程度で回れるコースを、バスやタクシーで循環できるようにして利便性を高めれば、インバウンド需要の広がりが見込めるだろう。

 

高崎商工会議所『商工たかさき』2019年10月号

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